博物館などにある魚類美術剥製は、 ココで作られていた‼

取材のアポイントで電話をしたところ、運よく、珍しいサメの制作に取り掛かっていると聞きお邪魔しました。ご紹介するのは、松本市で魚類美術剥製を制作しているオガワ・アートコレクションの小川貴光さんです。

小川貴光さん
小川さんのプロフィールを紹介します!

現在54歳。この仕事(スタートは趣味が高じてとのこと)を始めてすでに27年ほどに。会社勤めをしていた若かりし頃、自分が釣った魚を釣具屋さんに頼んで剥製にしてもらったことがきっかけになり、見よう見まねで自作をはじめたそうです。その内に釣り友だちなどからも頼まれるようになり、魚類剥製の魅力に取りつかれていったそうです。

その後は、独学で身に着けていった作品が評価され、釣具店さんからの依頼なども増えていくようになり、仕事として専念することにしたそうです。とは言っても食えるまでになるには相当かかったから、仕事としてはオススメできないかな(笑)とのこと。
魚類美術剥製
魚類美術剥製エアブラシ塗装
子どもの頃から、プラモデルを作ったり絵を描いたりすることが好きだったという小川さん。作品制作は、とても手間のかかる作業ですが、とてつもなく楽しい時間なんだろうなあと感じました!

これが、幻の巨大ザメ「メガマウス」!

メガマウスザメ

口が大きいことからその名がついたのです。 (体長約5m体重は600kg)最大7mもの大きさになるそうです。目撃や捕獲、死骸が浜に打ち上げられることは珍しく、ほとんど例がないことから幻といわれるそうです。 大きな口から海水を取り込みエラでろ過し餌となる必要なものを体内に取り込むため サメをイメージするギザギザの大きな歯はなく、愛くるしい表情! 表面を撫でるとリアルなサメ肌!体感させてもらいました。

完成までに約1年かかるそうです。
ギョギョギョ~

沼津の海岸に打ち上げられた魚体を、引き取りに行き現地で解体し松本に

海岸からの引き上げや移動時に傷ついたところの補修も行い原形を再現していく

肉や内臓を剥ぎ、残した皮や尾ひれから原形を再現するのは、かなり高い技術と経験が必要なのです!
メガマウスザメ解体
魚類美術剥製制作工程
   工程はざっとこんな流れです!

採寸し型紙を作り発砲ウレタンを流し込む

形成された魚体を削りながら形を整えていきます

肉をそぎ落とした皮と作られた魚体がフィットするまで何度も削ぎ落しを繰り返します

作った魚体に皮(冷凍保存)を張りキズなどを修復し乾燥

塗装・乾燥(工程の途中でも塗装・乾燥を繰り返しおこなう)

完成後は沼津港深海水族館に展示されるそうです。

ところでこの仕事、製作費はナンボなの?   聞いちゃいました! 大型魚は1kgあたり1万円が目安だそうです。ということは・・・ギョエー!小川さん、本日はありがとうございました。

リュウグウノツカイ(竜宮の遣い)
人魚伝説のモデルとも言われる不思議な深海生物、リュウグウノツカイも数体手がけたことがあるそうです。
今さらですが、魚の姿をじっくりと見たことって実は無いってことに気づきました。
あたり前ですが体形も顔も尾ひれもすべて違い、特に色彩の美しさは目に留まります!
水族館で泳いでいる姿も楽しいですが、細部までじっくり見られる剥製はおすすめです。

興味のある方は、
松本市内にコレクターさん(小川さんの作品が150点ほど展示されている)のギャラリーがあります! 
「魚美術館FishArtGallery夢追人 」
松本市大字大村315-10
子ども達に見せてあげるのもいいですよね。

制作作業や作品の詳細は、ホームページやFacebookにアップされているので、チェックしてみてください。魚類剥製制作のマンツーマン指導もしてくれます(有料)。

OGAWA・ARTcollection/
松本市大字笹賀7542-6
TEL0263-25-2686
http://www.fish-sai.com  
Facebook小川貴光
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